西南西の虹

cinema staff 西南西の虹歌詞
1.西南西の虹

作詞:三島想平
作曲:cinema staff

どれだけ揺すっても溶けない水と油、永遠の未完成。
生まれるこの気持ちを言葉だけでは説明できない。

雨に打たれていた俺たちは襟を立て、
間に合わなくても進むだけ。
その地図を捨てちまえ。

濡れた袖を絞り、速度は落とさぬまま。
泥だらけの靴とかき消されていく足音。
それでも手を取らぬ俺たち。
ただ同じ方角を目指している。

雨に打たれていた俺たちは襟を立て、
間に合わなくても進むだけ、走るだけ。
雨が上がったら、俺たちは悲しみと風を追い越して、
あの虹を追いかけていく。西南西へ。


2.A.R.D

作詞:三島想平
作曲:cinema staff

赤い視界の中。痛い思いはもうしたくは無い。
再会果たした時はもうスタンスを変えちまっていた。消えていた。

どっかで覚えてる。意識の片隅で。
どっかに眠ってる。魂の片隅で。

さあ、苦い記憶は消した。何回だって恋に落ちたい。
大嫌いな奴の声は知らないふりで。
ヤバいことに気づいた。いったい全体どうしたいんだ。
全ては記録されていく。

赤い誓いを切った。期待だけはもうしたくは無い。聴いていない。

どっかで覚えてる。意識の片隅で。
どっかに眠ってる。魂の片隅で。
どっかで分かってる。イメージの片隅で。
因果律歪めてるレコードを---。

さあ、苦い記憶は消した。何回だって恋に落ちたい。
大嫌いな奴の声は知らないふりで。
ヤバいことに気づいた。いったい全体どうしたいんだ。
全ては記録されていく。


3.発端

作詞:三島想平
作曲:cinema staff

北の空から消えた雨音。
数え続けた羊の数は1万を超えたというのに、まだ眠れない

あなたの声に耳をそばだて、その告白を黙って聞いていた。

断続的に光るビルの最上楷にいる夢を見た。
この街を見下ろしたのは誰のために?

あなたの声に耳をそばだて、その告白を黙って聞いていた。
あなたの声が頬をかすめて、この身体の中、静かに入ってきた。


4.いらないもの

作詞:三島想平
作曲:cinema staff

電車の音。淀んだこの空の下。狭すぎて逃げる場所を探した。
因果の渦に巻き込まれた僕らは明け方の街の中に紛れた。

方法論・その正義・勘違い・偽善者・その過程。全部いらない。

行かないで、旅人よ。約束の時間はまだだよ。
今ならもう分かるでしょう、始まりは終わりだということを。

進化論・その理解・間違い・独裁者・その答え。全部いらない。

泣かないで、旅人よ。踏みしめたその足を上げて。
今ならもう分かるでしょう、終わりから始まるってことを。

「いずれ僕らはどうなるのかな」
理解したって得はしないのに、僕らはそれでも知ろうとすることを
何処のどいつが責められるんだろう?


5.小さな食卓

作詞:三島想平
作曲:cinema staff

冬の寝室では、窓に文字を書いて遊ぶ子供達。
ゆっくり大人になった。
風呂に炎を灯し、理由も無く笑える。
空もろくに飛べないが、ゆっくり大人になった。

階段を上がる音が聞こえて。「ぎしぎし」と。
毎日の命の営みを。

僕らの悲しみや苦しみは、分かち合って食卓の料理に並べた。
君の慈しみや優しさはスープの中。
誰かを救うことに気付かないまま。

階段を上がる音が聞こえて。「ばたばた」と。
君は今、洗濯物を手に。

僕らの悲しみや苦しみは、分かち合って食卓の料理に並べた。
君の慈しみや優しさはスープの中。
誰かを救うことに気付かないまま。
それは僕らの場所。いつもそこに。